第二章 ~噂~

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いや、正確に言うなら、誰も戦わせたくない。 本当は敵にも味方にも、戦って欲しくない。 話し合いとかそういった方法で解決するなら、それが一番いいんだ。 周りからは偽善者だとか甘いだとか、現実を見ていないとか言われるかもしれないけどな。 ってちょっと待てよ? そういえば今回のことは一方的なものだから、話し合いなんか出来てないよな? じゃあまずは、話し合いをした方がいいんじゃないか? っていうか俺はまだどんな人がこの手紙を書いたのか見てないから、一度見に行った方がいいだろうから、話し合いついでに会ってみるか。 もし仮に手紙を送ってきた相手が不良みたいな人でも、なんとかなるだろ。 「なぁ玲奈……それに答える前に、ちょっと一緒に来て欲しい所があるんだけど…」 「その前に、結論を出しなさいよ」 「だからちょっと待てって……俺が行きたい所に行ったら、その答えも出せるからさ」 俺がそう言ったら、玲奈はむぅっとうなった。 「…いつその行きたい所に行くの?」 俺は玲奈にそう聞かれたから、ちょっと考え込んだ。 「もうすぐ美結さんが来るから、授業が全部終わった後の放課後でいいんじゃないかな」 「それじゃあ遅いわよ!せめて授業と授業の間に行きなさいよ!」 「移動しなきゃいけないから、んな時間は無いに決まってるだろ……」 俺は玲奈の言葉に呆れながら、議論した。 その結果として、結局俺の意見が通った。
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