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「あのさ……」
俺はそのことを聞こうとして、ルーネスに話し掛けた。
でもそれは入口の方から聞こえてきた爆音にかき消された。
「な、なんだ!?敵か!?」
俺達は突然のことに驚いて立ち上がり、入口の方を警戒した。
だけど何故か本当に煙が立ち込めて立ち込めて、視界が遮られた。
「ったく……またフレイアが感情任せに力使ってやがるな……」
「フレイアを抑えに行く……お前は此所を守っておけ」
「おぅ、任せたぜ」
二人はそんなやり取りをして、ルーネスが煙の中に入って行った。
「おい、何が起きているんだ?」
「ん?あぁ……ただ仲間のうちの一人が、力を使っちまってるだけだよ」
「まさか暴走してんのか?」
俺がそう聞いたら、先輩はそんなわけ無いだろって言って否定した。
「もし暴走したら、殺してでも止めるさ」
俺は先輩の殺すって言葉が、本気で言っているみたいでゾクッとした。
いや違う……本気みたいなんじゃない。
先輩はもしそのフレイアって人が暴走したら、本当に殺してでも止める。
それは他の仲間や自分が暴走しても、同じようにする。
先輩はそれが出来る覚悟が有るから、こんなにきっぱり言えるんだろう。
「ただフレイアは俺達以上に感情の起伏が激しくてな……だから怒ったりすると、意識しないで力を使っちまったりしちまうんだよ」
そう言った先輩は、苦笑しつつも仲間を気遣うような、優しげな表情をしている。
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