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2。
お母さんは少し考えて言いました。
「ねぇ、あいのちゃん、今日はメリーゴーランドには、ののちゃんしか乗せてあげられないのよ?それでも良いの?ちゃんと一人でベンチで待っていられる?」
「うん。いいよ。あいの、お姉ちゃんだもんっ一人で待てるよ!」
あいのちゃんは胸を張って言いました。
…本当は、自分だってメリーゴーランドに乗りたかったのだけれど…
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「あいのちゃん、えらいわね。あなたが優しい子でお母さんは嬉しいわ。そうね。お姉ちゃんだものね!待っている間は、知らない人について行っては、絶対に駄目よ!」
お母さんは、本当に嬉しそうです。
誉められたあいのちゃんも嬉しくなりました。
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「うん!あいの、知らない人について行かない!」
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「お母さん、はやくっはやくっ」
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すっかり、ご機嫌が直ったののちゃんにせかされて、お母さんはメリーゴーランドへと行ってしまいました…
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ベンチに座って、おいてけぼりのあいのちゃん、足をぷらぷらさせながら、段々と寂しい気持ちになって来ました…
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「つまんないな…ののちゃんは泣いてばかりでズルイな…」
一人でいると、色んな気持ちになって、次には悲しくなりました…
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「あいのもメリーゴーランドに乗りたかった…」
そう呟くと、あいのちゃんの真ん丸なお目々から、涙がこぼれそうになってきました…
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「あいのちゃん、浮かない顔をしてどうしたのさ?」
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凛とした可愛いらしい男の子の声がしまいました。
…でも、どこかで聞いた事のある声です。
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あいのちゃんが声のした方を振り替えると、そこには…!
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