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「わぁ!!」
あいのちゃんは、思わず立ち上がろうとして、ベンチから転げ落ちそうになりました!
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だって、そこにいたのは、あいのちゃんと同じ位いの背丈の猫の男の子…!
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「おっと、危ない!…気を付けて?」
猫の男の子は、ひらり、と早い動きであいのちゃんを受け止めました。
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「ありがとう。猫さん。どうしてあいののお名前知ってるの?」
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猫の男の子は、あいのちゃんを地面に立たせながら言いました。
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「あいのちゃん、君には解っている筈だよ。僕が誰なのかをね。」
猫の男の子は、人指し肉球を立てながら、いたずらっ子の様に、くすり、と笑いました。>
「…もしかして…テオ…?」
「うん。そうだよ。僕はテオ。毎日君と遊んでるよね。」
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ええ。確にテオなのです。いつもお庭に遊びに来る、茶トラの野良猫くん。
でも、今のあいのちゃんの目の前にあるテオと言ったら、ハンチングを被り、Yシャツにネクタイを絞め、ハンチングとお揃いのチェックの吊り半ズボンにチョコレート色の革靴と言う、ちょっとお洒落な格好です。
しかも、お話しをして、二本の足で立っているではありませんか!
どうして、あいのちゃんが、テオをテオだと解ったのが、あいのちゃんには不思議で仕方ないのです。
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「ねぇっテオ、どうして、二本の足で立ってるの?どうして、お洋服来てるの?どうして、おしゃべりできるの?!」
「おや、おや、質問攻めだね。僕は僕さ。そんなに不思議な事はないよ。」
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そう言って、テオは又、楽しそうに、くすり、と笑いました。
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