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ー別にそんなに不思議な事は無いよー
そんな風に言われても、あいのちゃんは納得がいきません。
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「不思議だよっっだって、テオはいつものテオと全然違うもん!!」
あいのちゃんは、両手をぎゅっと握りしめて、目を白黒させるばかりです…
そんな、あいのちゃんを見て、テオは楽しそうに笑いながら言いました。
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「うふふ。何時もの僕も、今の僕もテオだよ。君が見ている全部のものが本当の事かなんて、誰にも解らないし、其れを決めるのは、あいのちゃん、君自身なのさ…」
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何だか、テオが難しいお話しを始めるので、あいのちゃんは、只でさえ真ん丸なお目々をもっと丸くして、お口をぽかんと開けて、しばらく頭の中が真っ白になってしまいました…>
「…何?それ?…あいの、全然解らないよ???」>
テオは、そんなあいのちゃんが面白くて仕方ない様です。
くくっと大きな声で笑いたいのを我慢しながら言いました。
「ふっ…くくっ…そう?その内、解る事もあるかもね。」
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あいのちゃんは、何だかテオにからかわれている様で、むぅっとなりました。
「今日のテオは意地悪だよっ」
お口を尖らせ、ホッペを膨らませて、ソッポを向きます。
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「ごめん、ごめん。でも、此れは、あいのちゃんが自分で気付かなければ意味が無いから…」
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と、その時、テオが肩をすくめて、そう言った時にテオの片手に持つ、赤い自動車がキラリと光りました!
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可愛らしい形の、大層素敵な外国の赤い自動車です…!
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「ねぇ、テオ、素敵な赤い自動車だね!あいのにちょっと見せて?!」
あいのちゃんは、赤い自動車が気になって、さっきのお話しは、もう、どうでも良くなりました。
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テオは、人指し肉球をあごに当てながら、しばらく考えながら言いました。
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「う~ん…別に良いけど、今は見せてあげない。」
「えぇっどうして!?意地悪しないでよぉっお願いっっ」
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「嫌だよ。僕は自分で決めた事しかしないのさ。其れが、あいのちゃん、君のお願いでもね。」
テオは、しれっとソッポを向いて言いました。
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「何さ!!テオのけちんぼっっべぇっっだ!!」
あいのちゃんは、顔をしかめ、お鼻にしわを寄せて、思いっきり舌を出しました!
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「あはははっ!!」
その顔を見て、テオは、とうとう、笑い出してしまいました。
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