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振り向くと、目の前に雨竜がいた。普通はここで叫ぶ事が多い。だが、俺は叫ばなかった。と言うより、叫べなかった。あまりの恐怖に。
「し、侵入者!!」
年上の人の方が叫んだ。俺ではなく。
「大丈夫。侵入者じゃ無いから」
と、雨竜が助けてくれた。雨竜は、俺を違う部屋に連れて行った。
「で…何で太陽くんがここに居るの?」
と、ドアップで聞いてきた。
「い、いや…お前の正体が気になるから…」
太陽はめちゃくちゃありきたりな事を言った。でも雨竜は、
「別に、普通に聞けばいいのに…」
と言って普通に受け入れてくれた。
「僕はここ。中ノ内家の一人息子の王子。んで、今日メイドに頼んでおいた物を作ってもらってたの」
と、少し長いけれど、簡単な説明をしてくれた。
「ふ~ん。で、作ってもらってたのが、さっきの媚薬?」
と聞くと、声では出さずに首を縦に振った。
「で、気に入ったのが君。太陽くん❤」
と言って、俺の目の前に指を指した。
「で、その作った媚薬を使うのが…俺?」
と、自分にとってあり得ない事を聞くと、雨竜はまた首を縦に振った。そして、太陽はまた青ざめた顔色になった。それから、雨竜の顔が近づいて、俺のほっぺにキスをした。
「よろしく。太陽❤」
と、言って俺に向かってウインクをした。俺はこれからどうなるの?
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