―ワイセツな夜―

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遊覧船乗り場がある港に到着した2人 時刻は昼の12時ちょっと前であった 平日ということもあってか、知床半島を海上から眺めれる遊覧船の乗り場は、お客さんがまばらである その乗り場の窓から、なかなか立派な遊覧船が見えている 搭乗の手続きをする窓口の上に出航の時刻表が張り出されており、それを見るとすでに午前中の便は無く、午後1時30分からの出航便しか無かった 喧太 『けっこう待ち時間あるけど… だいじょうぶ?』 杏奈 『うん 船乗ってみたいし…… 喧太、待てない?』 喧太 『いや、待てるよ』 乗り場には待合室があり、そこに置かれた椅子に若いカップルや旅行客らしき人達が座っていた みんな備え付けのテレビを見ながら、午後の便を待っているみたいであった その待合室に向かおうとしたとき、杏奈が右手を握って引っ張ってきた 喧太 『あれ?……座らない?』 杏奈 『港歩きたいの……』 潮風が優しく吹く大きな港が、二人を出迎えてくれたのであった
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