第3章

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あれから1年… 俺は、無事 高校生に成りました。 今は、プロセルピナの屋敷を出て 今まで住んでいた街からも離れて 知り合いの、誰一人居ない土地で 普通に生活している。 人間の 高校1年生として。 入学早々、友達も出来ました。 シイナ コウイチ 椎名 浩一と タカオカ ケイ 高岡 敬。 両方、俺のクラスメートだ。 浩一は、背が高く 短く切った黒髪と、切れ長でスッキリと涼し気な黒瞳が印象的な 男前日本代表みたいな奴。 敬は、俺と同じ173㎝位の身長で 栗色の髪、焦げ茶で少し垂れ気味の瞳。 人懐っこい、女受けの良い奴。 生前でも、友達はそれなりに居たけれど… 今は、前のように 誰とでも気軽に、仲良くする事は はっきり言って、難しい。 だって、俺は今 悪魔だから。 ふとした拍子にバレて 大学病院だの、どこぞの研究施設なんかに送られて 実験だの解剖だの… 挙げ句の果ては、ホルマリン漬けの 悪魔標本なんて事態に成るのはごめんだ。 だから、関わりを持つ人間は最小限に 友達は、慎重に選ばなければならない。 その点、この2人なら安心だ。 万が一バレても 『そーだったのか』 の一言で、済ませてくれるだろう。 まぁ、済ませてくれなくても 黙らせる事は簡単だ。 だって、俺は 2人の最大の秘密を この手に握っているのだから……
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