第3章

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1日の授業を終え、帰宅の準備をしていると 敬と浩一が近付いてくる。 「なぁ、千秋~ 本当に行かないの?」 「…お前もしつこいな……」 「だってぇ~」 諦め切れないといった風に 敬が恨めしそうに俺を見る。 「…俺なんかじゃなくて、浩一誘えよ」 「「えぇっ!?」」 見事にハモった。 見ると、敬はあからさまに動揺し 目が泳ぎまくっている。 浩一は、気まずい様子で俯き 心なしか、眉間に皺が寄っている。 「えっと…来る……?」 「……いや、…俺は、いい………」 「…そ、そぅ……」 ―‐…沈黙。 いつも、こうだ。 何でこいつ等は、いつもこうなんだ? 互いに、互いの気持ちを隠し 自分に嘘を吐いている。 「端から見てりゃぁ バレバレだっつーのに……」 俺はあの、無差別に他人を誑し込む 翠の邪眼を隠す為に掛けている 黒縁の伊達眼鏡を 慣れた仕草でくいっと直した。 「こんなんで動揺しちゃって… これから先ずっと 隠し通して行けると思ってるのが凄いよね」 「千秋? 何さっきから、1人でブツブツ言ってんの?」 俺は、にっこりと微笑んで言った。 「……別に?」
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