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高校の入学式の日
敬は、密かに浮かれていた。
浩一と、同じクラスに成れたからだ。
式が終わり、教室に戻って来て
敬は浩一に声を掛けようと
彼を探した。
居た。
でも、彼の隣にはもう1人居る。
自分ではない、他の誰かが……
その時の感情を、正直に言うと
嫉妬だ。
敬は、浩一の隣に居る誰かに
嫉妬した。
その誰かは、自分と同じ男なのに……
そう。
敬は、浩一が好きだ。
それは、友達のそれでは無く
恋愛としての想いだ。
浩一も自分も、男なのに……
知られるわけにはいかない。
誰にも
浩一なら、尚更……
だから、何でもない振りをする。
そして、自分の気持ちに
しっかりと、蓋がしてある事を確認してから
彼に向かって歩み出す。
「よっ、浩一。
隣の誰?俺、敬。高岡敬ね」
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