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体育館と取り壊されずに残ってる旧校舎の隙間に体を捩じ込んで2m程進むと、ぽっかり開けた空間に出る。 それが俺達のいつもの場所、まぁいわゆる「秘密基地」みたいなもんだ。 「ふぬぅぐ…っん…しょっ…ほっ」 ただし捩じ込み方に多少コツがいる。 一歩間違うと 「……よっ…───────!!!!」 最後の最後で大事なところをしこたま挟んだり打ち付けたりする可能性がなくもない。 「彰(アキラ)、おっせーよ」 「いつも一番乗りの癖に珍しいな、彰」 「………!!…っ!」 「彰?」 「あー、またやったのか。そっとしといてやれ、彼は今男として最大の危機に立ち向かっているのだ。」 「何のキャラだそれ。」 「…っあきらりゃ…!」 「…?何?」 「まてまて、何か言い残したいことがあるのかね。」 そう言って口許に寄せられた耳に俺は呟いた。
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