人魚姫

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私は声と引き替えに 貴方の近くを歩く足を貰いました 深い海の底で この気持ちを抱えて生きるのは 出来そうになかったから 穏やかな海の底で 静かに朽ていくのが宿命でも それでも私は逆らいたいと思ったのです 姉達は髪と引き替えに 私を生かす手段を手に入れていました この月照る水面で その懐剣が心臓を貫くのを 祈る思いでいたのです 頬を一筋の涙が伝って 私は結局何もできなかった 姉達の元に戻ることも ましてや自身を明かすことも 私の想いは泡になって たくさんの気泡となるだろう けれどはじける瞬間には 貴方と過ごした幸せの日々を 描いて儚く消えたいのです
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