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昭和50年
港町に産まれた
母‥美容師
父‥理容師
3歳上に姉がいる
姉は、私の変身があまりに恐ろしく
失語症になった時期がある
小さい頃の話をする
小さい頃の私は
こんなふう
私
「お姉ちゃんが産まれる日
ママに早く帰ってきてほしくて、
私、コタツの中で
丸まってたんだよ」
姉
「それ、あんたが産まれる日の私でしょ
何で知ってるの?」
小さい頃、
こんな会話ばかりしていた
姉という人格に変身して
姉の中にある記憶、
知るはずがないコトを
よく喋っていた
多重人格とは
身内にかかわらず
存在がある人格の記憶が
映ったり
(パーマンのコピーロボットみたいに)
不思議と
新しい人格が生まれる
ある衝撃に対して
自分を守るべく
それに対処する能力を持った人格が生まれる
あるいは
トラウマへの刺激に
抵抗する人格
精神的苦痛を表現する能力を持った人格に変身する
それは
自己防衛本能から生まれた
ここからは
私が産まれた街での
5歳の時のお話をします
私が多重人格に変身した日の出来事から
最高裁で多重人格の変身を吟味されるまで‥
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