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そして俺はこの辺りを案内してもらえと言う事で少しドライブがてらに連れて行ってもらった。
そして小一時間ぐらい案内してもらい部屋に連れてってもらった。
部屋と言ってもボロボロの部屋で俺はビールのケースを並べその上に板を敷きベッド(笑)にした。
そして親父からポケベルに連絡が入った。
当時はよっぽどじゃないと携帯なんか持てない時代だった。
親父に呼ばれ事務所に行くと親父は引き上げると言うのだ。
親父は俺に
「龍吾、わしは行くからしっかり修業して立派な極道になるんやで」
俺は胸が熱くなり親父に
「親父、体に気ぃつけてはょ戻って来て下さい」
と深々と頭を下げた。
親父は車に乗り込むと窓から手を上げてそのまま走りさった。
これが生きた親父の顔を見る最後の時とはこの時は分かるはずもなかった…
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