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「はぁ??挨拶??なんで俺が猫に挨拶しなきゃならないんだよ。」
俺は足に息をかけるのを止め、その生意気な茶虎に返した。
「お前…この方が分かってないようだな…越してきた猫か??」
スマートなロシアンブルーの猫が、それはまた風格に似合う落ち着いた声で話した。
「あれ…??そういえば言葉通じてる…!?すげーなこれ!!日本語か!?ネコ語か!?」
俺は猫達と会話できている事に気付き、不安なんか吹っ飛んで感動を覚えていた。
「おい!!このお方はなぁ!!この辺で知らない奴はいない、かの有名なボス猫『ベルさん』だぞ!!ベルさんのナワバリに勝手に入ってきてくつろぐなよ!!」
ペルシャ猫よりも一回り小さい白黒が、高い声で俺に怒鳴った。
「ボスネコ『ベル』だぁ…!?なんだよ…いいじゃんか少し休むくらい。ケチなヤツだな。」
俺は猫との会話も嬉しかったが、やっと痛みが引いてきた足をもう少し休めたかった。
「どうやら俺様のナワバリに入ってきた事の重大さが分かってないらしいな…」
俺から5メートル程の距離に立った茶虎のベルは、背中を異様なまでに突き上げて毛を逆立たせる。
おい……これってまさか…『臨戦体勢』ってやつか…??
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