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「次で立てなくしてやるよ。俺様の縄張りに入った事を後悔しな!!」
ベルは再び背中を高く突き上げ、「フーッ!!」と猫独特の威嚇をしてきた。
甘く見てた。猫は猫なりの戦い方があるんだ…。
例えば俺がこの姿で木に登れるかと言ったら、登れない。
この姿で背中から落とされても上手く着地できるかと言ったら…できない!!
猫が当たり前にできる事が俺にはできないんだ…勝てる云々より……無謀。
普段の俺が格闘家や軍人と戦ってるようなもんだ。
そんな事を考えていたら、隠していた足の震えが止まらなくなってしまった。
「ハハ…こいつ今頃ビビッてますよ♪」
白黒がバカにしたように笑う。
「もう後悔しても遅いのだよ。せいぜい体で反省しな。」
ロシアンブルーが興味なさそうに付け加えた。
ダメだ俺…死ぬかもしれない……
そんな事を考えた時、鉄線の向こうから声が聞こえた。
「おい、このボウズはもう動けないんだ。そこまでにしとけ。」
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