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大吾と二人で自転車をゆっくりとこぐ。
「あぁー…もう毎日の繰り返しがつまんねーよ。」
俺はうっかり愚痴が零れた。
「彼女でも作ったらなんか変わるんじゃねーの??」
コイツ…殴って欲しいのか??このイケメンめ。
「バーカ、そんな軽いイベントじゃねーんだよ。こう…ハプニングが欲しいんだよね…」
「例えばどんなさ??」
大吾が聞く。
「世界に俺しかいなくなってた!!とかさ、ある日猫になってしまった!!とか。」
俺は目がキラキラと輝くのを感じた。
「なにそれ。つーか、なるなら鳥がいいなぁ…自由に空飛べるわけだし。」
大吾が空を見上げる。ロマンチストかお前は。
「あ、お前。猫の魅力に気付いてねーな??自由気ままなんだぜ??鳥になったお前なんか捕って喰ってやるよ。」
俺は大吾を横目に見る。
「ハッ!!お前みたいなグータラ猫なんかに捕まってたまるかよ。」
大吾は鼻で笑って返した。
「学校なんか行かなくていいしさー!!一日中寝てるんだよ。最高じゃないか♪鳥なんかより、俺は猫になりたいんだっ!!」
俺は拳をグッと握る。
「お、噂をすればシャッツがいるぜ。」
大吾が指差した先には家の塀に伏せている猫がいた。
そこにいる真っ白い猫。俺達が帰る時によく塀の上で寝てるから構うようになった。
名前は「シャッツ」。俺が勝手に付けた名前だけど。色が買ったばかりのシャツみたいに白いから、少し捻りを加えてシャッツ。センスあるだろ…??
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