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頭痛がひどかった夜が明け、窓から日が射す。
「ふぁぁ…昨日はひどかったなぁ……」
俺は伸びをしながら呟く。
頭痛は完璧に治ったようだ。
「でも今日は土曜だしな…!!大吾もまだ来ないだろうし……。二度寝、二度寝っと…」
そう言って俺は布団を被ろうとしたんだ。
ん…??何だ??掴みにくい…。
と、言うか掴めなかった。
「あれぇ…??」
寝ぼけながらにそう言ったつもりだった。
でも出た言葉は…
「ニャァ……」
思わずクスッと笑っちゃったよ。寝ぼけててもそれは言わないだろってさ。
布団の掴み所が悪いと思った俺は、体を起こして布団を見た。
でも、目に映ったのは……。
デカくなった布団に……俺が伸ばしている手が、猫の手になっている景色。
「ニ゙ャ!?」
あれ??またニャアって言った??俺。
パニックになりながらも、俺は冷静にそんな事を考えていた。
「雄太ー??どうしたの??」
母さんの声だ…!!
パタパタと、スリッパが階段を昇る音がする。
やべぇ…!!母さんが来る!!
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