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窓から差し込める月明かりに照らされた夜斗の横顔は、いつもとは違い幼い子供の様に見えた。
遊び疲れて寝ている幼子の様な。
傷の応急処置を終え、気を失ったままの夜斗を、朧の二階にある部屋のベットに横にすると、七瀬は葛葉達の待つ一階へと戻った。
夜斗の傍らには、玉麟が静かに佇んでいた。
「夜斗は?」
七瀬の姿を見て心配そうに尋ねた葛葉に、優しく微笑みかけると、七瀬は手に持ったコーヒーのカップとミルクの皿をテーブルに置いた。
「傷の応急処置は無事終わったわ。今は疲れて寝てるだけよ」
葛葉の向かい側に座り、七瀬はそう言った。
それを聞いた葛葉、ルヴァは安堵の表情を見せた。
「あのぅ…私…」
安心したからか、葛葉は今までの出来事について七瀬達に尋ねようとした。
「葛葉ちゃんにも話さないといけないわね」
コーヒーカップを手に取りながら、七瀬は真剣な面持ちで言った。
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