プリンとローション

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して、ドラッグストアを出たパンタロンだったが例の依頼者である男と待ち合わせのため、テラスのあるオシャレな喫茶店でコーヒーをブラックで飲みながらスポーツ新聞のエロ記事のページを舐めるように読んでいた。 周りの女性客からのコールド視線やコールド嘲笑、シャドウ陰口を必死に耐えながらエロ記事を舐めるように熟読していた。 ずっと耐えていたパンタロンだったが、女性客に対する不快感から心の中で抗議していた。 パンタロンの心の声 (ツカさぁ…俺のコトなんてどおでもいいやん?俺のコトの会話で盛り上がるために店に来たワケぢゃないやろ?もっと女の子らしい会話で盛り上がればいいやん。そして婚期逃して死んでいけばいいやん。) 女性客Aの心の声 (ハァ!?何言ってんのコイツ。テメーがこんな公共のオシャレスポットでエロ全開で調子コイテんのが原因ぢゃないのさ。ツカ女の子らしい会話って何よ?何を話せば女の子らしいのさ?) パンタロンの心の声 (もっと何かあるだろ?あっ!そだ!カロリーの低いスープの話ししろや。あと、よく名前もろくに聞いたコトないような野菜の話しとかしろや。そしてそんなに好きでもないクセに流行りに便乗して「おいしぃ~!」とか言ってたコトをカミングアウトしろや。) 女性客Bの心の声 (何?パクチー?パクチーの話ししてんの?アレわ確かにマズイよね。マズイっツカ臭いよね。私アレ嫌い。ケド友達の前でわ「おいしぃコレ!この匂いがぃぃょね!」って、完全に引きつった満面の笑みで言ったケドね。何かオシャレ負けした感を払拭したかったんだよね。) 女性客Cの心の声 (あんトキの顔マヂウケたんですけど。だってもう顔見ただけでコイツ絶対パクチー嫌いだよって思ったもん。ツカ見る見る内に顔色悪くなって、変な汗を異常なまでに発汗してたぢゃん?ケド、オシャレ負けしたくない女の意地を組んであげてスルーしてあげたケド、マヂ笑いこらえるのに必死だったよ。マヂ勘弁してよね?)
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