1113人が本棚に入れています
本棚に追加
「みんなこの入り口から中に入ってくれ」
みんなは謎の筒の中に入った。
「えー、これから君達は戦ってもらう。戦いと言っても心配には及ばない。なぜならバーチャルの世界だからだ。致命傷を受ければ、バーチャルの世界から消えて現代に戻ってくる。致命傷は受けた瞬間ではなく、コンピューターが死亡と見なせば消える。だからギリギリなら治癒させられるんだ。ではやってみよう。まず頭上にあるヘルメットみたいなのを装着してくれ。あとはコンピューターがやってくれる」
それぞれ装着した。
すると、どんどん意識が遠のいていった。
「私はVVW。このコンピューターの通称です。よろしくお願いします。これからあなたたちをバーチャルの世界にお連れします」
そんな言葉が聞こえたような気がして、完全に現代と離れた。
次に目が覚めると、そこは広大な草原だった。
「こ……ここは……?」
オールが呟く。
「ここはバーチャルの世界です。設定通りです。みなさんの手首のリングの色でチームが決まります。相手チーム全てを消すと終わります。お互いやりにくいでしょうが、本物の敵はどんな物かわかりません。実際の体は何もないので、安心して攻撃してください。以上です。頑張ってください。チームワークが大事ですよ」
それだけ言って、通信が途絶えた。
オールの周りには、帝司、未来、スティル、クリスがいた。
「えっと、ここにいる五人が味方なのかな?」
帝司が言った。
確かに五人の手首には青い輪がある。
「どうやらそのようだね。多分他の五人はそう遠くないところにいるだろう」
「でも、相手はムーヴさんやキャノンさんがいるよ。勝てるの?」
未来が心配そうに尋ねる。
「わからない。でも無理な分け方はしていないはずだ。必ず負けるとは限らないよ」
オールは今の状況分析しながら話した。
「とりあえず歩こうよ。それにしてもこの草原の草、高過ぎない?あと10mも行けば完全に隠れるわよ」
未来がうっとうしいという口調で言った。
「確かにこの草、長すぎるな。…………いてっ!」
突然未来が帝司を叩いた。
最初のコメントを投稿しよう!