1113人が本棚に入れています
本棚に追加
「何すんだよ!結構痛かったじゃないか!」
「なるほど。私達は視覚や聴覚、触覚などの五感をコンピューターに支配されているみたいね。全く……どんなコンピューターなのよ……」
帝司の言葉は未来の耳にまるで入っていない。
「じ……じゃあさ、死んで終わりだから、死ぬ痛みも感じることになるの……?」
クリスが不意に言った。
みんなの顔がさっと青ざめた。
―もう一方のグループ―
もう一方のグループ、つまりムーヴ、キャノン、サント、シャロン、ヒートの五人は既に歩き始めていた。
この五人は赤いリングが付いている。
背の高さまである草を掻き分けて、たまにキャノンが爆発させたりして、黙々と歩いていた。
ふとサントが口を開いた。
「あの…ムーヴさんや、キャノンさんにヒートさんは何か役に立つかもしれませんが、僕とシャロンさんは何をすればいいのかわかりませんけど……」
「なーに、そのうち出番がやって来るさ。ぼくら全員にね」
キャノンが言った。
相変わらずお気楽で、鼻唄混じりに草を掻き分け、爆発させている。
「相手はどのような戦法でくるのだろう。こっちには攻撃型の人が多いが、向こうはほとんど防御型だぞ」
ムーヴが考えながら呟く。
みんなもさっぱりわからなかった。
両チーム、戦いにくいが皆を信じて戦うしかないと思っていた。
これも訓練の一つだと思いながら……。
本物の敵を倒すまでの辛抱だった。
最初のコメントを投稿しよう!