バーチャル大戦

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「何すんだよ!結構痛かったじゃないか!」 「なるほど。私達は視覚や聴覚、触覚などの五感をコンピューターに支配されているみたいね。全く……どんなコンピューターなのよ……」 帝司の言葉は未来の耳にまるで入っていない。 「じ……じゃあさ、死んで終わりだから、死ぬ痛みも感じることになるの……?」 クリスが不意に言った。 みんなの顔がさっと青ざめた。 ―もう一方のグループ― もう一方のグループ、つまりムーヴ、キャノン、サント、シャロン、ヒートの五人は既に歩き始めていた。 この五人は赤いリングが付いている。 背の高さまである草を掻き分けて、たまにキャノンが爆発させたりして、黙々と歩いていた。 ふとサントが口を開いた。 「あの…ムーヴさんや、キャノンさんにヒートさんは何か役に立つかもしれませんが、僕とシャロンさんは何をすればいいのかわかりませんけど……」 「なーに、そのうち出番がやって来るさ。ぼくら全員にね」 キャノンが言った。 相変わらずお気楽で、鼻唄混じりに草を掻き分け、爆発させている。 「相手はどのような戦法でくるのだろう。こっちには攻撃型の人が多いが、向こうはほとんど防御型だぞ」 ムーヴが考えながら呟く。 みんなもさっぱりわからなかった。 両チーム、戦いにくいが皆を信じて戦うしかないと思っていた。 これも訓練の一つだと思いながら……。 本物の敵を倒すまでの辛抱だった。
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