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「これ……拳銃だよね?」
シャロンが拾い上げながら言う。
「うん。でも何で……?」
サントは少し焦った。
初めて本物の拳銃を見たからである。
「あのね……あたし、拳銃を使えるように練習してたの。ラングさんに言われてね。あの人、絶対何か能力あるわ。拳銃なんて触ったこともなかったのに、今なら自由自在よ」
シャロンが自慢気に言う。
「へえ、それは心強いね」
キャノンが感心した。
ちょうど会話が終わるころ、視界が変わった。
今まで長い草で前が全然見えなかったが、目の前は広い広い草原だった。
木が何本か立っているだけの、広々としたアフリカにありそうな草原である。
「相手に飛び道具はない。次に戦う場所はこの草原にしよう」
シャロン、サント、キャノンは草原に出た。
―青リストグループ―
「よし。ぴったり拳銃を相手の位置に投げられた。やっぱり命賭けの戦いはこうでなくちゃな」
オール達はすでに相手グループの動きを完全に把握している。
無論、この先に広大な草原があるのも知っている。
「今やったように、相手には拳銃という飛び道具がある。飛び道具というものは、遠くのものを攻撃するためにあるから…………」
オールが拳銃が相手ならどのように戦えばいいかを話している。
しかし、途中で言葉を切る。
「飛び道具……?そうか!わかったよ!ついにわかった!」
オールがいきなり言った。
「わかったわかったって、何がわかったの?」
スティルが興味津々の顔で聞く。
「キャノンさんの弱点だよ!そうだ、そうだったんだ!何でもっと前に気付かなかったんだ!」
「何でもいいからさっさと教えてよ」
スティルが急かす。
「ああ。飛び道具の戦い方と一緒に教えるよ」
みんなはまたまたオールの周りに集まった。
今日一日で何度集まるのだろうか。
そんなことを思いながら、みんなはキャノン対策作戦を聞いた。
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