第二章・―文化祭と怪人と―

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 黒田は歩いていた。  久々に高等部の校舎を、文化祭で皆が色めき立ち、ざわつく中を怪人という荷物を抱えながら。  時期的にもコスプレや喫茶店などの衣装合わせをしているクラスが多いため、怪人を抱えていても、誰もが一度は振り返るが、恐らく「精巧に出来たコスプレだなー」くらいにしか思われていないだろう 。  しかしながら、歩いているからといって素直に青児のところへ持って行こうという訳でもない。  むしろ当て所もなく歩いているだけで、これからどうしようかという気持ちの方が断然強い。
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