第二章・―文化祭と怪人と―

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 数分も経たない内に、変身してストブルーがやってきた。  幸いな事に今は学園祭の準備期間中というのもあって、そこかしこにいる生徒の誰もが、気にすら留めていない。 「上手くいくでしょうか」  ストブルーに、黄土が心配そうな表情を向けると、力強く頷いてくれた。 「大丈夫。これでも弁は立つ方だと自負しています。俺を信じて下さい、黄土さん」 「が、頑張って下さいね。くれぐれも、油断しないで下さい」  それでも不安なのか、言い聞かせるようにする黄土の視線を背中に受けて、ストブルーが単身怪人達の輪の中へと乗り込んでいく。  黄土もそれを見届けてから、自分の教室で待ってくれているであろう赤崎と合流するため、踵を返したのだった。
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