270人が本棚に入れています
本棚に追加
「……いい加減にこの手を離してくれないか、駿河崎緑子」
「いやぁん、赤崎様ったらー。意外と恥ずかしがり屋だったんですねぇ」
赤崎はろくに緑子の方を見てもいないが、彼女が自分の周囲に花でも飛ばしていそうな雰囲気は、充分過ぎる程伝わってきた。
赤崎はそれだけで、緑子に全く遠慮なく、大きなため息を吐いてしまう。
仕方なく、といった感じで自らの腕に回されたままの緑子の腕を、強引に振り解く。
そしてすぐに立ち上がると、緑子が止めようとするのも構わずに歩き出した。
最初のコメントを投稿しよう!