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「待って下さい、赤崎様っ。私の事嫌いになったんですかぁ?」
今にも泣きそうな声が、赤崎の背中に突き刺さる。
別にこれといって悪い事もしていない筈なのに、そんな風に泣きそうな声を出されてしまい、元来中途半端に出来ていない性格が赤崎を振り向かせようとした時、前方からそれを止めるかのように、聞いた事のない声が聞こえてきた。
「そんな女のために心配して、振り向く必要はありませんよ、赤崎先輩」
何事かと茂みの方を向くと、出てきたのは赤崎が切実に求めていた黒田、黄土の姿だった。
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