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だが、残念ながら声を発したのはその二人ではないようで。それを確認した赤崎が、声のでどころを探るようにその二人の前に立って、赤崎よりも後方を見た。
――どうやら赤崎への忠告は、緑子を睨んでいる人物が発したようだった。
その場には一気に緊張した雰囲気が流れ、黒田も黄土も睨み合っている二人を避けるようにして、赤崎の方へと近付いた。
「信也君、無事だったんですね。良かったです」
嬉しそうに黄土が言うが、いつもとは違い、少し声のトーンを落としている。
やはり、睨み合っている二人の邪魔をするのが怖いのだろう。
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