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大抵の者は傷付く場面ではあるが、青児は顔を上げると虚空に視線を漂わせたまま。
抑揚の無い声で応える。
「俺は気にしていませんから。それよりも、早く司令室へ行きましょう。あの宇宙人が痺れを切らして待っている筈です」
青児は言いきってから赤崎に背を向けると、先刻まで自分を罵っていた緑子を抱え上げ。
文句も言わずに元きた道へと歩き出した。
赤崎達はその様子にしばらく顔を見合わせていたが、やがて青児の姿が茂みに隠れてしまうと、慌てて後を追い駆けた。
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