序章其の五・―ストブラック やけに冷静な一匹狼―

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 洞窟に入っても、入り口で感じた胡散臭さは全く拭えなかった。  ずっと先の方まで一本道なのはありがたいが、漫画やテレビの世界で観るような機械的な廊下が延々と続くのだ。  しかも御丁寧な事に、壁の至る所で何やら小さな光が点滅している。  少しの間にかなり先まで行ってしまったのか、一本道であるにもかかわらず黒田の姿は一向に見えず。  いつまでも続く同じ光景に一行が少しうんざりしかけたその時、すぐ横手の何もないように見える壁から空気が漏れる小さな音がしたかと思うと、急にドアが開いた。
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