5721人が本棚に入れています
本棚に追加
/86ページ
♦千夏Side♦
真中千夏、ちょっとした失態をしました。
………寝坊した。
入学式は9時からなんだけど、
…………今、8時50分なんですけど。
…うん、あきらめよう。
私はテレビをつけて、「おはようテレビ」を見ながら支度することにした。
支度をし終わって、竜学の校門へ行ってみると
未波先生が立っていた。
「あ、夏生君やっぱり寝坊したね!(笑)」
私に気がつき、未波先生はそう言って手をヒラヒラさせた。
「…はよーございます」
私は欠伸しながらそう挨拶をした。
「はよーございますじゃないよ。もう入学式始まってるよ?」
「でしょうね」
…私の言葉に苦笑しっぱなしだ。
「そういう先生は何でここに?」
「君みたいな寝坊君のお説教の為に」
未波先生はそう言いながら、笑ったが
その笑顔は黒かった。
…不良校の寮長やってたり、この説教係?といったり…
…実は未波先生、案外怖い人だったりして。
「…どうかした?」
「あ─…いや。入学式今からでも出て行った方がいいのかなと思って」
「今から行っても迷惑になるだけだろうし、もう教室に行ってるといいよ。…それに、もう結構教室にいると思うし…」もう結構教室にいると思うし……?
ちょっと疑問に思ったけど、未波先生の言うとおり教室に向かうことにした。
.
最初のコメントを投稿しよう!