2.出逢い、入学式

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  昇降口のクラス表を見てみると、私の名前は1年9組にあった。   早速、教室に行ってみる    ガラッ   …未波先生が言ったとおり、…もう結構教室にいた。   生徒が。   「おぉ。お前も入学式サボりかァ。たりぃーもんなぁ」   しかも、イカつい生徒 ばかり。   「うん、まーそんなもんかな」   私はそう言って、黒板にかかれた座席表を見て自分の席に座った。   …私の隣の席をふと見ると…その席の人は寝ていた。   まわりのイカつい生徒とは違って、普通そうな人だけど、   こんな怖い人達の近くで爆睡できるなんて、 肝が据わっているというかなんというか…   「なぁ、お前何組?」   さっき話してきた、なんか不良のリーダー的存在ッポイ人がまた話しかけてきた。   ……………?   「………9組」   私がそう言うと、一端沈黙してから直ぐに、まわりの不良は一斉に笑い出した。   「ちっげーぇよ!!そっちの“組”じゃねーから!!!」   そう言いながら、またギャハハハと笑った。   “組”………   「…ああ、“極道”の」   「そーだよ!(笑)俺、橘組の橘蓮(タチバナレン)っつーんだけど。お前は?」   「……一般人の真中夏生」   それだけ言うと、不良のリーダー的存在の男橘は少し驚いた様な素振りを見せた。   「…へぇ!俺と普通に喋べってるから、堅気の奴じゃないのかと思った!………、お前俺のこと怖くねェの?」   「全然」   即答の私に、橘は目を丸くしていただけだったけど、周りの取り巻きが黙っていなかった。   「…てめェ、さっきから聞いてりゃー…橘さんが全然怖くねェとか調子乗ってんのか!?」   そう言って胸座をつかまれた。   …私、質問に正直に答えただけなのに何この仕打ち。ひどくね?
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