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私、真中千夏。17歳。
先日我が弟が失踪した。
「僕にはあんな恐ろしい学校通えません。しばらく旅に出ます。探さないでください 夏生」
そう書き置きを残して。
「あんの、糞ガキャー!!!!」
我が母、真知子は大激怒である。
「不良学校ってことを言い訳に逃げよったなぁ~~!!!」
何故なら、手紙の内容は半分本当で半分嘘だから。
正しい内容は「あんな恐ろしい学校通えません」ではなく「めんどくさいから通いません」
我が弟、真中夏生は最近反抗期らしく、つい最近まで「高校には行かない」とか言っていた。
凄く頭いいのに勿体無いな。
しかし我が母、真知子により無理矢理入学試験を受けさせられ合格、そして入学手続きをしたって訳。
ていうか、答案用紙白紙にすれば良かったのに。
夏生が受かった高校は県内偏差値トップの私立高校(男子校)だ。だけど、何故か生徒は不良やら極道やらが沢山いて恐れられている。
「あ~……しょうがないわね」
母さんは額に手を当て大きな溜め息をついた。
そして私を指差してこう言ったのだ。
「お金が勿体無いからアンタ夏生の代わりに学校行ってきな!!」
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