5721人が本棚に入れています
本棚に追加
/86ページ
「きゃーっ!!千夏ちゃん格好いいわー!!!」
試しにヅラと学ランを着てみた私を見て母さんは騒いだ。
「千夏ちゃんは中性的な顔立ちだからねぇ。男装したら美少年になるのね!」
母さんはそうやってよくお世辞言う。
母さんと違って私は凡人なのに。…家族の贔屓目ってヤツなのかな。
「…で、竜学いつ入学式なの?」
「明日」
「…………………」
「ほら、早速荷物まとめて行っておいで!」
「わかったよ…」
珍しく私は脱力した。今日は真知子さんの鬼畜さを改めて知ったのだった。
「ああ、それと竜学と桜女の定期テストの時期違うから、テストのときは一回帰ってきなさいねー」
「………はいはい」
「はい は一回!!」
「………はーい」
私はそう返事してから自分の部屋に行き、荷物をまとめ始める。
…サラシとか一応必要かな。悲しいことに、対して胸ないけど。
…ていうか、そういや竜学って荒れてるって有名なんだった。
……気を付けないとね。
色々と。
.
最初のコメントを投稿しよう!