1.男装少女誕生

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♦裕隆Side♦ 真中夏生か…… …こいつ、絶対目ぇつけられるな。   外見もそうだが、この無関心さが致命的だ。   何か面倒事起こされたら、俺が責任とらなくちゃいけねぇんだし、勘弁して欲しいぜ。   …でも、……似てるな。   「…何か………?」   俺が横目で真中を見ていたら、そう言われた。   「…いや、知ってる子に少し似ているな~、と思ってさ」   「へえ………」   別にどうでも良いのか、また関心無さげにそう言った。   ん………?   「そういや名前も似てるな。その子、千夏って言うんだ」   ─っと、なに言ってんだ俺。 こんなこと真中に言っても適当に相槌されるだけなのに。   「………………………へえ。似てますね」   今の間はなんだ? ─…まぁいいか。今回は珍しく「へえ」だけじゃなし、少し進歩か。    「案外知り合いだったりしてね」   「………いや、千夏ってゆー知り合いはいませんけど」   「……そっかー、そうだよねぇ」   内心ちょっとガッカリした。 もう一度あの子に会えるかもしれない、って期待しちゃったわ。   「あ、着いたよ。ここが夏生君の部屋だよ」     .
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