1.男装少女誕生

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♦裕隆Side♦ 「…あー、いや。……少しだけ………」   図星だったので俺は言葉に詰まってしまった。   「フ、…正直な人ですね」 それを聞いた真中は怒るわけでもなく、 そう言って……少しだけ微笑んだ、ように見えた。     ───………綺麗。   「…俺はよく無愛想だって言われますけど、一応人並みの礼儀はあるつもりですよ?」   俺は微笑んだ彼から目が離せなかった──…。   「…まあこんな性格だから、未波先生にも迷惑かけると思いますけど、」   一瞬悲しげな表情を浮かべたけど、すぐに戻って   「これからよろしくお願いします」   彼はそう言った。        「……?未波先生……?」   「──…っ!ああ、よろしくね!!」   俺はやっと我に返ってそう答えた。   「………用事いいんですか?」   俺はハッとして腕時計を見た。   「─!?よくないっ!!ごめんね夏生君!!!時間ないからもう行くね!!!」   .
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