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♦裕隆Side♦
「…あー、いや。……少しだけ………」
図星だったので俺は言葉に詰まってしまった。
「フ、…正直な人ですね」
それを聞いた真中は怒るわけでもなく、
そう言って……少しだけ微笑んだ、ように見えた。
───………綺麗。
「…俺はよく無愛想だって言われますけど、一応人並みの礼儀はあるつもりですよ?」
俺は微笑んだ彼から目が離せなかった──…。
「…まあこんな性格だから、未波先生にも迷惑かけると思いますけど、」
一瞬悲しげな表情を浮かべたけど、すぐに戻って
「これからよろしくお願いします」
彼はそう言った。
「……?未波先生……?」
「──…っ!ああ、よろしくね!!」
俺はやっと我に返ってそう答えた。
「………用事いいんですか?」
俺はハッとして腕時計を見た。
「─!?よくないっ!!ごめんね夏生君!!!時間ないからもう行くね!!!」
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