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語:沖田
――――
人斬りの女を初めて見たのは酷く美しい夜だったのを覚えてる、私が彼女が現れたその場を担当していたから一番に刀を交えることになったのだ。
「沖田隊長…人斬りは来ますかね?」
隊士が不安そうな様子で私に尋ねてきた、どうやら来て欲しくないようだ。
「そうですねぇ…彼女は気紛れだと聞いてますから、どうかは彼女次第ですよ。」
私はクスクスと笑いながら刀に手を添えて現れる筈の彼女を待つ、そうして刻々と時間は過ぎていった。
隊士も私も来ないのではないかと思い始めた時、数人の浪士が歩いてきたのを見付けて私達は体制を整える。
「今日も吉田先生は凄かったな!」
「ああ、あんなに人を斬り殺せるのは先生くらいだ」
長州の…アレは捕まえておくべきか?と少しの時考えただけだったのに…
タタタッ
バシッ ビチャッ
ピチャ…バシッ バシ…
ゴロン…
なんの音かと気付いた時には遅くて…浪士はえげつなく殺され、屍となっていた。
ソレを唖然と見つめて居ると後ろに影が出来る、隊士が立ったのかと思い振り替えればそこには゛紅゛があった。
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