7月30日

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母の家に着くと挨拶も軽くすませて居間にどっと倒れこむ。 少し遅れて一つ年下の妹も「つかれたー」なんか言って栗毛色の髪を留めていた髪ゴムを外して居間の床に大の字にへたりこんでる。 ずっとくねくね道ばかりで車酔いにもなっちゃうよな。 ―少し気持ち悪い。酔い止め飲んどくんだった― 「は~い、疲れたでしょ。溶けないうちにどうぞ~」 明るい声に振り替えるとお盆を持った伯母―真山楓がニコニコ顔で立っていた。 テーブルに麦茶の入ったグラスを乗せた盆を置くとすぐに台所に姿を消してしまう。 ちょうど二人とも喉が渇いていたから『いただきます。』っとグラスを掴んで一息にぐいっと麦茶を飲みほしてしまう。 台所では僕の母や父を囲んで昔話にでも花を咲かせているらしい。 たまにワッと笑い声が聞こえてくる。
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