夏の夜

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大丈夫…何もない! おそるおそる足を踏み出す。影が恐ろしく感じる。ゆっくり階段を降りると、更に漆黒な暗闇が私を待っていた。 …怖いって思えば余計怖くなるんだから…! すりあしで歩きながら暗闇に目をこらす。トイレにたどり着き、ほっと用をたす。 …ほら、何もなかった。 安心してトイレから出て手を洗う。瞬間目の端に黒い影が映った気がした。 体に力が入る。 「気のせい…! 気のせいだってば…!!」 声が震えているのが自分でもわかった。
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