襟足

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彼女を初めて見たのは、入学式の朝。 教室に入ろうかどうしようか、躊躇いがちに中の様子を探る女の子を見付けた。 ほとんど小学校から持ち上がりのこの学校で、見知らぬ後ろ姿。 ブレザーの背中に、声をかけようか迷った瞬間、その襟足に桜の花びらが付いているのに気付いた。 「あ」 思わず漏れた声に、彼女はビクッと驚いて振り向く。
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