襟足

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それを恋だと自覚するのに、時間はかからなかった。 若葉が好きだ。 どうしよう、告白しようか。 むしろ告白したい。 そう、思うのに。 「健、シャー芯持ってない?」 若葉が斜めに体を翻すだけで、心臓が飛び出しそうになる。 平静を装い、シャー芯を差し出す。 ありがとう、と小さく笑顔を浮かべ、若葉はまた前を向く。
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