#1 かって?

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「はいはい~目開けて」 「っつ!」 少年の瞼が切れていた。点眼して染みたのか少年は俺の腕を掴んだ。 「ねぇ、君名前なんてーの?」 俺は目の手当をしながら聞いた。 「――……ないよ…――」 「…は?」 俺はビックリして手を止めた。 「…名前はご主人様が決めてください…―」 少年は頬を染めながら言った。 なるほど…この少年…拾われるのは今日が初めてじゃないな。 「ん~…じゃあ…『ミヤ』…でいい?」 俺は少年の顎を人差し指でクイッと上げながら言った。 「…ありがとうございます。ごしゅっ…」 ミヤが「ご主人様」と呼ぶ前に俺はミヤにキスをした。 「ふ…んっ。」 ミヤも初めてだったのだろう。ミヤの目には涙が溜まっていた。 「着いたようだな。さぁ…」 ガタンと音がし家に着いた事が分かったためキスをやめた。だがミヤは俺の服の袖を離さない。 「…///」 「どうしたの?早く降りよ?」 俺は真っ赤になったミヤの顔を覗き込んだ。 「…////」 「俺の事は『ご主人様』じゃなくて『埣蚪(セツ)』って呼んで?ね?」 「!!/////」 最後に チュッ とキスをした。ミヤは更に顔を真っ赤にした。
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