533人が本棚に入れています
本棚に追加
「はいはい~目開けて」
「っつ!」
少年の瞼が切れていた。点眼して染みたのか少年は俺の腕を掴んだ。
「ねぇ、君名前なんてーの?」
俺は目の手当をしながら聞いた。
「――……ないよ…――」
「…は?」
俺はビックリして手を止めた。
「…名前はご主人様が決めてください…―」
少年は頬を染めながら言った。
なるほど…この少年…拾われるのは今日が初めてじゃないな。
「ん~…じゃあ…『ミヤ』…でいい?」
俺は少年の顎を人差し指でクイッと上げながら言った。
「…ありがとうございます。ごしゅっ…」
ミヤが「ご主人様」と呼ぶ前に俺はミヤにキスをした。
「ふ…んっ。」
ミヤも初めてだったのだろう。ミヤの目には涙が溜まっていた。
「着いたようだな。さぁ…」
ガタンと音がし家に着いた事が分かったためキスをやめた。だがミヤは俺の服の袖を離さない。
「…///」
「どうしたの?早く降りよ?」
俺は真っ赤になったミヤの顔を覗き込んだ。
「…////」
「俺の事は『ご主人様』じゃなくて『埣蚪(セツ)』って呼んで?ね?」
「!!/////」
最後に チュッ とキスをした。ミヤは更に顔を真っ赤にした。
最初のコメントを投稿しよう!