第1章:誘拐事件

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「あ、もしもし課長ですか?神津です」 「おう、神津か。事件だ。至急署まで来てくれ」 「わかりました」 そう言うと壮介は電話を切った。 すると、そのまま席へと戻ると亜弥が笑顔で迎えてくれた。 「どうしたの?」 「いや…ごめん。今日、これから署に戻らなきゃ行けなくなった」 「そう…事件?」 亜弥は少し寂しさを感じさせる笑顔で聞いてきた。 「うん…ほんと悪いな。いつもこんなばっかで」 「私は平気だから…行って…あなたは刑事なんだから。大事な話ってのはまた今度聞くよ」 「そっか…悪いな。これ…」 そう言って壮介はクレジットカードを渡した。 「これで払っといて…じゃあ、俺行くから」 「うん…」 壮介は上着を着ると、それじゃと言ってその場を立ち去ろうとした。 「あっ…壮介!」 亜弥の呼びかけに振り返る壮介。 「頑張って…ね」 「おう!」 そう言うと今度こそ、レストランから出ていった。
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