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1984年、3月18日。
東京。
時刻は夜の9時半になろうかというところだった。
その日もいつもと変わらない、同じ1日になるはずだった。
しかし、その時は確実に近づいていた。
江本製菓会社の社長・江本弘明はいつものように子供達をお風呂に入れていた。
二階の寝室では、夫人の薫(35)と長女の麻衣美(7)がテレビを観ていた。
バンッ!!!
いきなり、勢いよく寝室の扉が開かれ、薫と麻衣美は扉の方へと顔を向けた。
すると、そこには白い毛糸の目出帽を被った2人の男が立っていた。
「あ、あなた達…なんなんですか?」
薫は娘の麻衣美を守るように、抱きかかえながら震えた声でそう言った。
すると、男達は急に襲いかかってきた。
麻衣美は悲鳴を上げたが、すぐさまに口を封じられた。
「麻衣美ちゃん、静かにしてや」
そう言うと男達は2人を後ろ手に縛り上げ、トイレの中へと閉じ込めた。
2人をトイレに閉じ込めた後、男達は一階へと降りていった。
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