序章~プロローグ~

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トイレの中から呻く声が聞こえている。 口を塞がれ、後ろ手に縛られた薫がもがいていた。 どうにか抜け出せないかと、後ろ手を動かし紐を解こうとしていたのだ。 すると、縛りが甘かったせいか手を縛っていた紐が緩んだ。 薫は紐を解くと、口に貼られたガムテープをとり麻衣美の紐を解きはじめた。 薫は麻衣美を解放すると、二階の寝室にあった電話から通報しようとした。 受話器を持ち上げ、耳にあてるとツーツーという音が鳴っているだけで、つながらない。 おかしいと思った薫が電話線を見ると、切断されていることに気づいた。 薫はふと、一階で風呂に入っていた夫と子供達は無事だろうかと思い、急いで一階に降りて行った。
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