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一階に降りると風呂場から子供達の泣く声が聞こえてきた。
薫は急いで風呂場へと向かった。
「あなた!暁!愛花!!」
風呂場には泣いている暁と愛花しかいなかった。
どこをどう見渡しても、江本の姿はなかった。
その頃、家の外では赤い色の乗用車の後部座席に江本が押し込まれていた。
押し込まれると、男達は江本に薄い毛布をかけた。
「早く、出せ」
男がそう言うと、運転席に座っていた第3の男は黙って車を急発進させた。
薫は夫が誘拐されたんだと気づき、すぐさま一階の居間にある電話へと駆け寄った。
一階の電話は電話線が切られておらず、警察に通報することができた。
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