第1章:誘拐事件

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時間は少し戻って、3月18日の午後5時過ぎ。 警視庁捜査一課に勤める神津壮介(28)はキャリア組と言われるエリートだった。 その日もいつものように喫煙所で休憩していた。 「先輩お疲れ様です」 「おう、お疲れ」 こいつの名前は相葉誠。 俺の相棒だ。 事件現場に向かうのはいつもこいつとだ。 「しかし、よかったですね。今日中に事件解決して」 「そうだな。容疑者はすでに検察庁に送られたことだしな。ここから先は、検事の仕事だ」 「そうすね。それじゃ、事件解決のお祝いってことで、どうします?飲み行っちゃいます?」 「悪いな。今日は大事な用があるんだ」 「そうすか。残念すね。それじゃ、今度行きましょう」 「そうだな。まぁ、事件が起きたらなかなか休めないからな。今のうちにゆっくり休んどけ」 「はい、そうします」 少し残念そうな表情で、相葉はそう言った。
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