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もうすぐ、時計の針は9時を迎えようとしていた。
壮介はあるレストランの前で人を待っていた。
「壮介! 」
声がした方へと振り向くと、彼女が小走りに駆け寄ってくるところだった。
「亜弥、意外と早かったんだな」
遠野亜弥、もう付き合って3年になる。
「壮介こそ、遅れてくるもんだと思ってた」
「バカいえ、大事な話があるって言っただろ。そのために事件を死に物狂いで解決してきたんだから」
「あはは、さすがエリート」
「茶化すなよ。それより、レストラン予約してあるから早く入るぞ」
そこのレストランはなんだか高級そうで、敷居が高いような気がした。
「ねぇ、大丈夫?なんだか高そうだけど。てか、私こんな服装で来て場違いな気がするし…」
「はは、気にすんな」
ボーイに案内され、席に着いた。
亜弥はメニューと睨めっこをしていた。
「どうしたん?」
「ん~、みんな高いなぁ」
「言ったろ、今日は気にすんなって。全部俺のおごりなんだから」
「でもでも、なんか気がひけるっていうか…こんな高い料理食べたことないし…」
「俺だって、食べたことないよ。まぁ、今日は特別だ」
「そう?ん~、じゃあこれ…」
メニュー表を壮介に見せ指さした。
「おっけ、じゃああとこれとこれ…それとこれもらえる?」
壮介はメニューを指差しながら、注文した。
「かしこまりました」
そう言うと、ボーイは下がって行った。
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