《お別れのウタ》

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 「アウッウッウッウッウ…」  涙が、ぽろぽろぽろぽろ…  落ちてきた…  私は、泣きながら歩いてた  人から見たら、どんなに  こっけいだっただろう  傘を持ってるのに  差してないんだもの…  惨めだった…  雨に…雨に何もかも流して  終いたかった……  消えて終いたかった……  ふと…目に入ってきた  自動販売機の横に  黒いレースのストールを巻いた  占い師がいた…  私が言うのも変だけど…  どことなく暗いイメージで  私より年下らしき、その子は…  私に声をかけきた。  「風邪ひきますよ…」  そう言って…  彼女は濡れた髪と体を…  拭いてくれた…  「今日は一人ですか…?」    私は…頷いた…
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