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「きっと貴女の話し相手に
なってくれますよ
もしかしたら貴女の望みを…
叶えてくれるかも知れません」
そう言って彼女は人形を見せた
青い瞳…クリクリしてて
この人形にしては
大きすぎるくらいの…
大きな青い瞳
横にすると目を閉じた…
赤毛のアンを想わせるような
深紅色をした巻き毛に
黒いフリフリのドレス
私には買えないほど
高そうな人形だった……
「いいんですか?」
「大丈夫ですよ……
でも…望みが叶ったら必ず
返してくださいね
約束ですよ…
傷付けたりしませんように…
大切にして下さいね…」
「ぁ…ハイ…」
「名前は…アンティゴネ
ギリシャ神話に出て来る
女性の名前らしいですよ」
「じゃあ…アンって呼んでも…」
「アン…ですか。
いいですよ」
そう言いながら彼女は微笑んだ
「もしも…
アンに何か望む事が
あるなら……」
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